Working Class Hero

「でも僕は、自分たちは他の何かを象徴してるんだって考えた。その街の労働者、あまりお金を持ってない人たち、きつい思いをして働いて、仕事が終わったら自分たちのチームを見に行くような人たちをね。」

フェルナンド・トーレスのインタビュー記事。
Daily Mailより抜粋。
いいインタヴューなので一回翻訳してブログに載せたかった。

---------------------------

商売や(クラブの会長の)選挙のために、サッカー選手が自らすすんで、高価な商品のように取引される時代だが、トーレスは違う。彼は単なる雇われのガンマンのような存在であることを快く思わない。彼の最初のクラブ、アトレティコ・マドリッドは、スペインの他のチームでプレイすることが想像できな いほど、彼にとって生涯の忠誠を誓う対象だ。

2番目のクラブ、リバプールとサインしたとき、彼はクラブと同じような関係を持つことを望んだ。今、彼はリバプールに同じような忠誠を誓っている。皮肉屋は、リバプール生え抜きの ジェラードやキャラガーの強力な忠誠とは比べものにならないと言うだろう。それは真実かもしれない。しかし、彼の態度はとても誠実に思える。


トーレスの父親、ホセは働いていたが、母親のフローリは、10歳のトーレスのアトレティコの練習場への送り迎えに1日を捧げた。それは骨の折れる旅だった。

「僕たちはまず電車に乗って、それからバスに乗って、それから公園を歩き通さなければならなかった。彼女はそれを1日2回やったんだ。」

トーレスはアトレティコへの忠誠を祖父から受け継いだ。そして、弱者を理解するということが何を意味するのかについて、よく教えられた。

「それは結果よりも、気持ちについてだった」と彼は言う。

「アトレティコをサポートする小さな少年として生きていくのは、とても厳しいことだった。
他の子供たちはみんな、シーズンの終わりに自分たちのチームがトロフィーとともにパレードをするのを見れる。アトレティコは違った。でも僕は、自分たちは他の何かを象徴してるんだって考えた。その街の労働者、あまりお金を持ってない人たち、きつい思いをして働いて、仕事が終わったら自分たちのチームを見に行くような人たちをね。

それは素晴らしいことだったよ。それ以来、自分のクラブが何を象徴しているかというのはとても重要なんだ。

隣のドアにレアル・マドリッドという、おそらくトロフィーと名声という点では世界最高のクラブがいるせいで、ときどきアトレティコの小ささ感じた。でも、スタジアムにいる時は違った。そこではみんなが自分のチームをとても誇りに思っていて、その瞬間、クラブは僕らの側にいる。そして月曜になる。彼らは起きて、仕事に出かけるんだ。

レアル・マドリッドは何か他のものを象徴している。魅力的な、大スターたちをね。でも、僕は労働者階級の家庭の出身だ。レアルは僕にとってはあまり意味を持たなかった。僕の親父は毎日働いていて、兄と姉は何時間もかけて学校に通わなきゃいけなかった。アトレティコは僕らみたいな人たちのためにあったんだ。

今でも、レアル・マドリッドのためにプレーするなんて考えられない。今でも自分はアトレティコのファンだと感じるし、リバプールがチャンピオンズリーグでレアルと戦うためにマドリッドに戻る時には、アトレティコのファンとしてプレイする。


リバプールはすごいクラブだいう評判だったけど、ここにきてすぐ、アトレティコみたいだと感じたよ。リバプールは労働者の街で、誠実な街だ。人々は一週間ずっと働いて、土曜日には世界最高のチームを見にスタジアムに行く。僕はたくさんのオファーをもらって、たくさんのビッグクラブを選ぶことができた。だから、サッカー以上の何かに基づいて決めたんだ。

ここの人たち、歴史、団結のしかた、僕はそういうことを見て、僕たちにはこのクラブをもう一度世界で最も偉大なクラブの一つにするチャンスがあると思った。

今、僕はリバプールがイングランドでの僕のクラブだと感じる。スペインでアトレティコが僕のクラブであるようにね。僕はイギリスやスペインの他のクラブでプレーしたくない。この感情は僕にとってとても重要なんだ。

リバプールに初めて来た時、僕はリバプールがすごいクラブだということしか知らなかった。僕はその歴史や象徴しているものを答えることができなかったんだ。その後、リバプールでの最初の3日間をアパートで過ごすことになった。メディカルチェックを待っていて、それは全て秘密だったから、外出ができなくてね。それでクラブがリバプールの歴史についてのDVDと本をたくさん送ってくれた。

僕は彼女と一緒にそこにいて、DVDを見て本を読もうとトライした。全部英語だったからね。こうやって僕はリバプールが想像より遥かに大きいってことに気がついたんだ。自分がこのクラブの一部になることをとても誇りに思った。

自分のクラブを知って、クラブが象徴するものを知って、それを誇りに思えば、よりよいプレーができる。それは自分にとって何かを意味することになるから。
みんな、自分がどんなクラブのためにプレーしているかを知るべきだと思う。そうじゃなければ、ただ自分のためだけにプレーすることにしかならない。リバプールのシャツを着るといつも、それはただのサッカーの試合以上のものだということがわかるよ。」

今日の一曲:

petrolz。

1 コメント:

    On 2009年9月6日 6:18 so さんのコメント...

    追記:
    先日Liverpoolに行ってきたtamaさんよりレポート。

    ----------------
    Liverpoolという町は、実際に行ってみると本当によくわかるんですけど、本当に労働者しかいない町です。Anfield周辺の住宅は典型的な労働者階級の人たちの家で、古くてすすけているような家ばかりで、正直、スラムといってもいいようなところです。

    私がいつも泊まるB&BのオーナーのJamesと彼の友達たちの様子を見ているとわかるんですけど、それでも彼らはやはり Liverpoolという町に住んでいることに誇りを持っていて、Liverpoolというクラブをサポートしていることに誇りを持っています。 Evertonファンの人たちも同じです。

    こんなスラムのような町に住んでいても、歴史があって、数々の栄光を勝ち取ってきて、つい最近もヨーロッパチャンピオンになったようなクラブが近所にあるということは、とても誇らしいことなんでしょうね。

    Jamesはすごく良い人で、近所の貧しい子供たちによくLiverpoolの試合のチケットをあげてるそうです。「あの子たちはすごく貧しいんだよ。この辺の子たちはみんなすご〜く貧しい。でも、いい子たちだからチケットをあげるんだ」って言ってました。

    Liverpoolにもホワイトカラーやもっと裕福な人たちが住んでる地区もあるんですけど、そういう人たちはfootballには興味がないんですよ。やはり、footballは労働者階級のスポーツだという意識があるようです。
    ----------------

     

Blogger Templates by Blog Forum