○○資本主義

NHKスペシャル「マネー資本主義」を見た。

金融危機後の資本主義のあり方を探る番組だけど、演出もなかなかオシャレで、経済番組なのに3人のゲストのうちが2人が糸井重里と西原理恵子という一風変わった番組。西原理恵子を持ってくるあたりがナイスセレクションだと思います。そしてウォール街の投資銀行だけじゃなく鹿児島銀行の取り組みとかも紹介される。

個人的には、各個人の幸せを追求する仕組みとしての資本主義はよい仕組みだと思う。でも、個々人が幸せを目指しているのに、結果的に不幸な人を生み出してしまうのも資本主義。そこに誰が悪いというのもない。村上春樹はそういうシステムの作用を「リトルピープル」と象徴したのかもしれない。リーマンブラザーズの社長だって、悪意を持っていたわけじゃないと思う。目の前に巨額のお金がぶら下がっていれば、走ってしまうのが人間だ。金持ち個人を非難しても何も始まらない。

社会主義も、行き過ぎた資本主義も失敗した中で、ちょうどいい感じの資本主義を目指す流れが始まったのが2009年という年だったのではないかと思う。

「お金持ち」とか「すごい人」がヒーローとして描かれる時代から、「貧乏でもかっこいい人」「ちょうどよくてかっこいい人」「ちょうどいい幸せの人」がヒーローになる時代へ、という話を糸井重里がしていて、僕が前からずっと思ってたことと重なった。インターネットがでてきて、ちょうどよくてかっこいい人が世の中にたくさんいるということを知る機会が増えた。そういう人のサイトがものすごい人気になったりしているし、あまり知られてなくても、いい感じでかっこいい人が僕の周りにもたくさんいる。みんなが金持ちとかすごい人になるのは不可能なので、そういうちょうどよくてクールな人を目指す人が増えて、そういう人をちゃんと支えられる社会の仕組みができていけば、もっといい感じの社会になるんじゃないかと思う。

ヘッジファンドの社長が、机の上に家族の写真を飾っている映像や、ストリートの露店で果物を買って食べる映像があった。どんなにお金を稼いでいる人だって、そこに幸せを感じる。幸せを感じるポイントはみんな同じなんだから、シンプルに人生を楽しめばいいのだ。

今日の一曲:


以下は感想メモ

大量消費→大量生産が幸せの基準だった時代の終焉
お金を儲けることに後ろめたさがある日本文化

「働かずにお金を増やす」ことの根本的な間違い
年金基金が足りない資金を増やすために、ヘッジファンドを利用して失敗

「ものを作る人」にお金が行く仕組みを
楽しさやクリエイティビティの追求

鹿児島銀行の豚舎への融資
豚舎の改良で豚の死亡率が下がる
投機が豚の飼料の値上がりにつながり、畜産へ打撃
金融機関は黒子であるべき
地域が繁栄してこその金融機関

アメリカを手本にするのをやめる
公益資本主義 株主のためじゃなく社会のために
日本ほど希望、可能性のある国はない。アメリカと違い、金融ではなく実業で成り立っている。

ヘッジファンド社長vsハーヴァード教授
資本主義に不平等があるのは当たり前、人間の能力は不平等
金を得ようとするなら傷を負うことを覚悟すべき

教育現場にも市場主義が入ってきている。ニューヨークの小学校で成績優秀者はお金がもらえる仕組み
「消費者」ではなく、「市民」として考える必要
社会の目的は経済成長だけじゃない、公共性の再構築

複雑化する金融取引のせいで、経済規模が実質経済の何倍にもふくれあがっている。
実質経済が有限であるのならば、誰かが儲かっているということは誰かが損をしなければならないのか?

0 コメント:

Blogger Templates by Blog Forum