今日本でも公開中の"(500)days of summer"、3回目を見た。最高です。一回目は映画館、二回目は飛行機の中、そして今回DVDで見たので初めて英語字幕付きで見れて、今まで聞き取れなかったとことかが分かって新たな発見があっておもしろかった。どう訳されているのか気になるので次は日本語字幕で見たい。

(以下はねたばれ注意)

いろいろ今まで気がつかなかったインディーロックからの引用とかも分かって、最初のBelle and Sebastianもそうだったけど、一番衝撃だった台詞がこれ。

"It pains me that we live in a world where nobody’s heard of Spearmint”
(誰もスペアミントを知らないような世界に住んでるのが苦痛だ)



スペアミント!そりゃ誰も知らんやろ!(でも俺は知ってる人に出会ったことがある。コイデ店長だ。)

スペアミントはまさにインディポップ!っていうバンドで、これです。



スペアミントとこんなとこで出会うとは思ってなかった。俺のiTunesの中でひっそり眠って、何年かに一度たまに思い出してきいて、そんな感じで一生を終えるはずの音楽だった。

でも女の子が将来に不安を感じてる時に、こんなことを考えてる時点で主人公のトムは本当にダメすぎる。このバンドはどんくらいマニアックかというと、サッカーで例えると「94年のアメリカW杯のベルギーのプロドームってキーパーを誰もしらないのは悲しすぎる」っていうくらいの感じか。そしてそんなダメなトムはちゃんと酷い目に会う。それがこの映画をそこらへんの浮ついたファンタジーやラブストーリーとは違っていい映画たらしめている。

藤原帰一先生がAERAにこの映画についてコラムを書いてるみたいで、さすがにインディーロックについての言及はなかったけど、「主演のジョセフ・ゴードン=レヴィット、顔も性格も違うけど、未練いっぱいなところは『ハイ・フィデリティ』のジョン・キューザックを思わせる。」とのこと。先生、俺のオールタイムフェイバリット「ハイ・フィディリティ」がちゃんと引き出しに入ってらっしゃる!法学部にいた時話しかけとけばよかったなあ、と思いました。



そんなダメすぎるトムだけど、あまりの落ち込みように上司に呼び出され、会社サボっても、何とか立ち直り、映画の最後では立派に旅立っている。彼女のおかげで、彼は成長したのだ。彼女の判断は正しかった。そしてエンディングテーマ"She's Got You High"で、"She's got you high and you don't even know yet"(君はまだ知りもしないけど、彼女が君を高めてくれたんだ)と歌われる。



おれも20代後半になっていろいろ成長したと思ったけど、まだ自分の中にナードな部分は確かに根付いていて、そういう部分を全部捨て去る必要はないけれど、シビアな大人の男の部分ももっと育てていかねばならん、と改めて思った。

それにしてもこの映画、こうやって何回も見て、サントラにも女優さんにもファッションにも心を奪われ、いろんな人のレビューが見たくなる映画は久々で、ネットで検索したらやっぱいろんな人が本当に熱く語っていて、映画のよさを改めて感じさせてくれる本当にいい映画だと思います。

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