ロックな1日

この前新しく買ったジャケットを着てみたら思いのほかパンクっぽかったので、久々にClashでもきくかー、と思ってiPodでききながらキャンパスを歩いた。White Man In Hammersmith Palaisからのシャッフルにしたら2曲目がRock the Casbahで、やっぱかっこええ、と思ってたら教室に着いた。

そして友達がFacebookにLost in the Supermarketのビデオを載せていた。

夜、最近寝坊するんだよね、と話してたらホストファザーがラジオで起きれる目覚まし時計をくれたので、さっきセットするために一瞬だけラジオつけたらちょうどその時かかってたのがなんとRock the Casbah!すげーミラクル!

そして今日の宿題は、Bruce Springsteenについてのエッセイ1枚と、Johnny Cashについて調べてくることだったので、今日はロックな1日でした。

あと大学の映画館で"Where The Wild Things Are"を見た。細かいセリフが聞き取れんかったのでもう一回見たい・・・でも男の子もかいじゅうもキュートで、純粋な気持ちにさせてくれるいい映画でした。



今日の一曲:

理想の女性

俺は特に理想の女性像、みたいなんはなくて、人ってそれぞれいろんな性格や個性、俺の貧困な想像力を超えた素晴らしい部分をみんなが持ち合わせとるよね。

でも最近、この人は俺の理想を具現しとるんじゃないか?という人を人生で初めて、椎名林檎とか麻生久美子とかZooey Deschanelとかじゃなくて現実世界で、見つけたのでここに報告します。

○知性があり、環境問題等にも関心を寄せる
○音楽が好きで、音楽に対してオープンな姿勢である
○料理が好き
○旦那さんを大事にする
○サッカーが好きである(ここアメリカで!)
○知性と無邪気さを兼ね備えた顔
○メガネも似合う

誰かというと、僕のクラスを担当する学校の先生で、授業が「アメリカの社会史を、成長の限界、大量消費社会の行き詰まり、マスメディアという視点から社会学的に扱う」テキストで始まり、次のテーマがアメリカの音楽で、エラ・フィツジェラルドに始まり、レイ・チャールズ、プレスリー、ディラン、モータウン、アレサ・フランクリン、ブルース・スプリングスティーン等々、白黒男女満遍ないセレクションで社会的背景にも詳しい。「社会学と経済学と哲学が組合わさったような本を読むのが好き」と言う一方、料理の本も好きで、ケーキを作ってきてくれたけど甘過ぎなくて俺でも食べられた。しかも日本に住んでたこともあって日本の文化が好き。日本の音楽ショップの素晴らしさ、CDをレンタルできるのにおどろいて、日本にいる間に音楽のコレクションが増えてうれしかったそうだ。テレビはサッカー以外はあんまり見ない(そんな人がアメリカにいるのか!)。でもThe Daily Showは毎日見る。旦那さんとの出会いは旦那さんが自分の好きなミュージシャンのTシャツを着ていたから。

ただ彼女はもう40代で幸せそうな家庭を築いているので、万が一みなさんの周りにこのような方がいらっしゃいましたらご一報願います。というかそんな人はいないと思うので上記のうちどれかいっこでも当てはまればOKです!僕も趣味のバンドTシャツ集めをいかし、バンドTシャツをがんがん着ていく所存です。





今日の一曲:


授業で紹介された曲。

○○資本主義

NHKスペシャル「マネー資本主義」を見た。

金融危機後の資本主義のあり方を探る番組だけど、演出もなかなかオシャレで、経済番組なのに3人のゲストのうちが2人が糸井重里と西原理恵子という一風変わった番組。西原理恵子を持ってくるあたりがナイスセレクションだと思います。そしてウォール街の投資銀行だけじゃなく鹿児島銀行の取り組みとかも紹介される。

個人的には、各個人の幸せを追求する仕組みとしての資本主義はよい仕組みだと思う。でも、個々人が幸せを目指しているのに、結果的に不幸な人を生み出してしまうのも資本主義。そこに誰が悪いというのもない。村上春樹はそういうシステムの作用を「リトルピープル」と象徴したのかもしれない。リーマンブラザーズの社長だって、悪意を持っていたわけじゃないと思う。目の前に巨額のお金がぶら下がっていれば、走ってしまうのが人間だ。金持ち個人を非難しても何も始まらない。

社会主義も、行き過ぎた資本主義も失敗した中で、ちょうどいい感じの資本主義を目指す流れが始まったのが2009年という年だったのではないかと思う。

「お金持ち」とか「すごい人」がヒーローとして描かれる時代から、「貧乏でもかっこいい人」「ちょうどよくてかっこいい人」「ちょうどいい幸せの人」がヒーローになる時代へ、という話を糸井重里がしていて、僕が前からずっと思ってたことと重なった。インターネットがでてきて、ちょうどよくてかっこいい人が世の中にたくさんいるということを知る機会が増えた。そういう人のサイトがものすごい人気になったりしているし、あまり知られてなくても、いい感じでかっこいい人が僕の周りにもたくさんいる。みんなが金持ちとかすごい人になるのは不可能なので、そういうちょうどよくてクールな人を目指す人が増えて、そういう人をちゃんと支えられる社会の仕組みができていけば、もっといい感じの社会になるんじゃないかと思う。

ヘッジファンドの社長が、机の上に家族の写真を飾っている映像や、ストリートの露店で果物を買って食べる映像があった。どんなにお金を稼いでいる人だって、そこに幸せを感じる。幸せを感じるポイントはみんな同じなんだから、シンプルに人生を楽しめばいいのだ。

今日の一曲:


以下は感想メモ

大量消費→大量生産が幸せの基準だった時代の終焉
お金を儲けることに後ろめたさがある日本文化

「働かずにお金を増やす」ことの根本的な間違い
年金基金が足りない資金を増やすために、ヘッジファンドを利用して失敗

「ものを作る人」にお金が行く仕組みを
楽しさやクリエイティビティの追求

鹿児島銀行の豚舎への融資
豚舎の改良で豚の死亡率が下がる
投機が豚の飼料の値上がりにつながり、畜産へ打撃
金融機関は黒子であるべき
地域が繁栄してこその金融機関

アメリカを手本にするのをやめる
公益資本主義 株主のためじゃなく社会のために
日本ほど希望、可能性のある国はない。アメリカと違い、金融ではなく実業で成り立っている。

ヘッジファンド社長vsハーヴァード教授
資本主義に不平等があるのは当たり前、人間の能力は不平等
金を得ようとするなら傷を負うことを覚悟すべき

教育現場にも市場主義が入ってきている。ニューヨークの小学校で成績優秀者はお金がもらえる仕組み
「消費者」ではなく、「市民」として考える必要
社会の目的は経済成長だけじゃない、公共性の再構築

複雑化する金融取引のせいで、経済規模が実質経済の何倍にもふくれあがっている。
実質経済が有限であるのならば、誰かが儲かっているということは誰かが損をしなければならないのか?

あと2ヶ月

今日、新しいインターン先に挨拶に行ってきた。今までのところがイマイチだったので交渉して変更してもらったのだ。
職場の人も仕事内容もいい感じで、最初からここで働いとけばよかった。
たまたま今日が留学生のレセプションパーティで、大学院に留学している若手官僚と、西日本新聞(福岡でシェアNo.1の新聞)のベテラン記者と知り合った。福岡出身ということで意気投合しました。なんか九州人同士ってどこでもすぐ仲良くなれるので九州人でよかった!九州ばんざい! I ♡ K S

あと、同じ部署にメガネが似合うキュートな60's風の女の子がいた!今まで見たアメリカ人の中で一番かわいいかも・・・。 The Pipettesにいそうな感じ。毎日がちょっと楽しみになりました。



気がつけばアメリカ生活も残り2ヶ月、発音が全然よくならんし焦るけど、最後の悪あがきでがんばります!

今日の一曲:
今日本でも公開中の"(500)days of summer"、3回目を見た。最高です。一回目は映画館、二回目は飛行機の中、そして今回DVDで見たので初めて英語字幕付きで見れて、今まで聞き取れなかったとことかが分かって新たな発見があっておもしろかった。どう訳されているのか気になるので次は日本語字幕で見たい。

(以下はねたばれ注意)

いろいろ今まで気がつかなかったインディーロックからの引用とかも分かって、最初のBelle and Sebastianもそうだったけど、一番衝撃だった台詞がこれ。

"It pains me that we live in a world where nobody’s heard of Spearmint”
(誰もスペアミントを知らないような世界に住んでるのが苦痛だ)



スペアミント!そりゃ誰も知らんやろ!(でも俺は知ってる人に出会ったことがある。コイデ店長だ。)

スペアミントはまさにインディポップ!っていうバンドで、これです。



スペアミントとこんなとこで出会うとは思ってなかった。俺のiTunesの中でひっそり眠って、何年かに一度たまに思い出してきいて、そんな感じで一生を終えるはずの音楽だった。

でも女の子が将来に不安を感じてる時に、こんなことを考えてる時点で主人公のトムは本当にダメすぎる。このバンドはどんくらいマニアックかというと、サッカーで例えると「94年のアメリカW杯のベルギーのプロドームってキーパーを誰もしらないのは悲しすぎる」っていうくらいの感じか。そしてそんなダメなトムはちゃんと酷い目に会う。それがこの映画をそこらへんの浮ついたファンタジーやラブストーリーとは違っていい映画たらしめている。

藤原帰一先生がAERAにこの映画についてコラムを書いてるみたいで、さすがにインディーロックについての言及はなかったけど、「主演のジョセフ・ゴードン=レヴィット、顔も性格も違うけど、未練いっぱいなところは『ハイ・フィデリティ』のジョン・キューザックを思わせる。」とのこと。先生、俺のオールタイムフェイバリット「ハイ・フィディリティ」がちゃんと引き出しに入ってらっしゃる!法学部にいた時話しかけとけばよかったなあ、と思いました。



そんなダメすぎるトムだけど、あまりの落ち込みように上司に呼び出され、会社サボっても、何とか立ち直り、映画の最後では立派に旅立っている。彼女のおかげで、彼は成長したのだ。彼女の判断は正しかった。そしてエンディングテーマ"She's Got You High"で、"She's got you high and you don't even know yet"(君はまだ知りもしないけど、彼女が君を高めてくれたんだ)と歌われる。



おれも20代後半になっていろいろ成長したと思ったけど、まだ自分の中にナードな部分は確かに根付いていて、そういう部分を全部捨て去る必要はないけれど、シビアな大人の男の部分ももっと育てていかねばならん、と改めて思った。

それにしてもこの映画、こうやって何回も見て、サントラにも女優さんにもファッションにも心を奪われ、いろんな人のレビューが見たくなる映画は久々で、ネットで検索したらやっぱいろんな人が本当に熱く語っていて、映画のよさを改めて感じさせてくれる本当にいい映画だと思います。

村上春樹と『1Q84』

冬休みに 『1Q84』を読んだ。

僕は村上春樹の熱心な読者ではないけれど、わりと読んでいると思う。特に短編が好きだ。彼の書く文章に「快楽」があるという人がいるけど、僕も彼の文章を読んでいるとなんかいい気分になる。そしてそんないい気分になっている自分がちょっと恥ずかしくもなる。僕は村上春樹の小説が好きな人は「普通の人」で、良さが分からない人は「普通じゃない人」、嫌いな人は「ひねくれている人」だと思う。

村上春樹の文章の気持ちよさは何かというと、まずはその「やれやれ」という言葉に代表される醒めた視点が、世の中のいろいろ面倒くさいことはくだらないんだよ、ということを示していて、それによって僕ら普通の人は「確かにくだらないよなあ。そんなことに気をもむ必要なんてない」と感じられ、世の中の面倒くさいことからの解放感を味わえる、ということだと思う。よって、世の中のいろいろ面倒なことを最初から気にしていない、器の大きい人やぶっ飛んでる人、浮世離れしてる人にとっては、よさがあまりわからないのではないか。批判的な人はそんな人が多いと思う。

また、村上春樹の小説に出てくるのはだいたい普通の人で、特に出世欲とか名声欲とか金銭欲はない人ばかりである。このやたらと自己啓発/自己実現、と煽られる現代社会において、彼の小説は「普通の生活」の奥深さや味わいを醸し出しているので、われわれ普通の人は、自分なりにこだわりをもって工夫すれば普通の生活でも十分楽しいんだ、ということに改めて気がつく。そしてそれは「人間だもの」とか「ナンバーワンじゃなくてオンリーワン」などの薄っぺらい脱力系/癒し系のメッセージではないので、自分なりの信念を持って、努力して普通の生活を送っている人にとってはとても共感できる。

こういう類いの「気持ちよさ」が特に短編には凝縮されている気がして、僕は好きだ。

そんな僕が今回『1Q84』を読んでの感想を、BOOK3が出る頃には忘れてしまいそうなので、書いておこうと思う。整理する時間がないのでバラバラだけど・・・

○改めて村上春樹は団塊の世代の作家だなあ、と思った。学生運動とか、新興宗教がテーマの一つになっていて、マクルーハンの「メディアはメッセージだ」という引用が出てきたり。この辺を読んで、ちょっと古いなあ、彼は21世紀の作家ではないなあ、と思った。僕はこの辺の時代に興味があるから楽しく読めたけど、たぶん今の若い世代にとってはこの辺のテーマはそれほど切実には感じられないと思う。でも逆にこのテーマにいまだにちゃんとこだわっているのは偉いと思う。

○Radioheadのトムが "Hail to the Thief" を出した時のインタビューで、ねじまき鳥クロニクルを引き合いに出して言っていた、"あらゆる人間に取り憑いて邪悪な力を引き出してしまうダークフォース"というのが今回も大きなテーマになっている。

○本当は大事な概念なんだけど、語られすぎて陳腐化し、手垢のついたクリシェになりがちな「資本主義」「物質主義」「革命」とかをカタカナにすることでよりニュートラルに受け止められるようになっていた。

○文章を読んで、うまいこと言うなあ、というところもあったし、奇を衒いすぎて気に障るところあった。そういう意味では、やっぱり余計な部分が削ぎ落とされている短編の方が好きだなあ、と思った。

○「いかにも頭の悪そうな○○○(忘れた)が軽自動車を運転している」みたいな表現があったけど、そういう言い方は「つぶされる卵の側に立つ」って言ってた作家としてはどうなの、と思った。あと、最後の方の、ふかえりがどんな風に美しいか、という描写が、けっこう普通過ぎて拍子抜けした。大事な登場人物なのに。

○「ブン」という犬が出てきて、僕が最初に飼った犬の名前と同じだったのでうれしかった。

テーマに何か既視感があったので、これはすげえ!とは思はなかったけど、楽しく読めました。 そしてこういう文学的な小説がちゃんとベストセラーになって200万部も売れる国って実はあんまりないんじゃないかと思って、日本も捨てたもんじゃない、と思った。一方で、200万部売れたけど、それも人口の2%にすぎないんだよなあ、とも思った。それに比べテレビの世界では視聴率2%、200万人でも話にならないわけで、そういう意味で視聴率2桁が普通なテレビはまだまだ影響力を持っているし(社員の待遇が良すぎるんで会社が赤字になるのは当たり前)、 視聴率数パーセントの番組でも『1Q84』と同じくらいのインパクトはあるのでそういう番組も大事にしてほしいと思いました。

今日の一曲:

(500)Days Of Summerのサントラばっかりきいてます。

ゆるがないしあわせ







謹賀新年


あけましておめでとうございます。
ニューヨークに行ったりしてたのでまた旅行記書きます。

年越しは、年越しそばを食べながら、テレビでニューヨークのタイムズスクエアのカウントダウンを見ました。

やっぱ紅白/年越しそば/初詣、っていう3点セットがないとなかなか年越しの気分がでないので、自分は日本人だなあ、と痛感しました。

紅白はつまんないんだけど、あのNHKがやたらとがんばって年越し気分を出そうとしてる感じが懐かしく、NHKオンデマンドで紅白を見ようとしたけど、海外からは見れないらしい。海外にいる日本人が一番需要があると思うんだけど・・・

初詣をしたいけど、もちろん海外からはできないので、オンラインで初詣とかできればいいなと思いました。クリックしてがらがらするやつを鳴らして、クレジットカードでお賽銭を払って、おみくじを引く、みたいな。しかもちゃんと太宰府とかが作る。

現在1月1日の午前4時前。村上春樹の1Q84を読んでいると、どこかの部屋からRadioheadの"House of Cards"が聴こえてきた。こんな新年早々の夜中に近所を気にせず爆音でRadioheadをかけるとはどういうことだろう。

今日の一曲:

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