猫とサッカー

久々に日本語が読みたくなったので、読みかけだった町田康「猫にかまけて」を読んだ。
動物を飼うことは、(にわかではなく)一つのスポーツチームを応援し続けることにも似ていると思った。
どちらも楽しみや喜びを与えてくれることが多いが、時には辛い時間を過ごすこともあり、自分の愚かさや弱さを見つめることにもなる。命に対して失礼だと思うけど、大切な猫が瀕死の状態で何とか希望をつないでいる時の気持ちと、自分のサポートし続けてきたチームが数十年ぶりの優勝がかかった試合で前半に0−3でリードされてしまった時の気持ちはよく似ていると思う。絶望に囚われ自分の無力さを実感し祈ることしかできない。

そして長い付き合いだからこそ経験する様々な感覚は、途中で養育を放棄する人やにわかファンでは経験できない強烈なインパクトを残す。パンク歌手であり作家である町田康に「ときに怠け心が起こっても、あとで後悔しないように全力で頑張ろう」などという最高にかっこ悪いことをあとがきで書かせてしまうのだ。



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